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最近、育児休業制度や短時間労働者の社会保険適用など、制度が目まぐるしく変わっていますが、病院・介護施設の限られたスタッフでは、なかなか追いついていけないのが現状ではないでしょうか。
弊社では、最新の制度改正情報をお伝えするとともに、各病院・介護施設の就業規則のメンテナンスもお引き受けします。
また、病院は、外来のほか、入院患者への対応があり、24時間稼働する必要があるため、
就業規則を整備する場合には、このような勤務実態の特徴を踏まえて、整備する必要があります。
1.変形労働時間制
医師の時間外労働時間を合理化するためには、あらかじめ当直や手術などの予定が明らかになっている場合には、1か月単位の変形労働時間制を採用することが有効です。
【就業規則の規定例】
(所定労働時間)
第〇条 医師の所定労働時間は、毎月1日を起算日とする1か月単位の変形労働時間制によ
るものとする。この場合、1か月を平均して1週間当たり40時間の範囲内で所定労働日、所定
労働日ごとの始業および終業の時刻を定める。
② 前項の始業および終業の基本時刻は次に定めるとおりとし、所定労働日ごとの始業および
終業の時刻は、医師に対し、事前に勤務表により明示するものとする。
始業時刻 | 終業時刻 | 休憩時間 |
8時30分 | 17時30分 | 1時間 |
2.病院における複数の所定労働時間
病院においては、外来や病棟の担当ごとに、複数の所定労働時間が設定されています。外来担当は、日中の診療時間に対応した所定労働時間となっていますが、病棟担当は、24時間対応が求められるので、それぞれの病院の人員配置の状況に応じ、2交替勤務または3交替勤務がとられています。そのほか、入院患者に食事を提供する栄養課の職員は、朝食と昼食に対応する早出と、昼食と夕食に対応する遅出に分かれたりしています。
【就業規則の規定例】
(始業・終業の時刻および休憩時間)
第〇条 始業・終業の時刻および休憩時間は、原則として、次のとおりとする。ただし、休憩
時間帯については、業務の必要により各所属において設定する。
⑴ 通常勤務(外来担当)
① 平日(月~金)
始業時刻 | 終業時刻 | 休憩時間 |
8時30分 | 17時00分 | 60分 |
② 土曜日
始業時刻 | 終業時刻 | 休憩時間 |
8時30分 | 13時00分 | なし |
⑵ 交替勤務(病棟担当)
① 2交替勤務
区分 | 始業時刻 | 終業時刻 | 休憩時間 |
日勤 | 8時30分 | 17時00分 | 60分 |
夜勤 | 16時30分 | 9時00分 | 120分 |
② 3交替勤務
区分 | 始業時刻 | 終業時刻 | 休憩時間 |
日勤 | 8時30分 | 17時00分 | 60分 |
準夜 | 16時30分 | 23時30分 | 60分 |
深夜 | 23時00分 | 9時00分 | 60分 |
⑶ 交替勤務(栄養課)
区分 | 始業時刻 | 終業時刻 | 休憩時間 |
管理栄養士 | 8時30分 | 17時00分 | 60分 |
早出 | 5時30分 | 14時00分 | 60分 |
遅出 | 10時30分 | 19時00分 | 60分 |
3.労働基準監督署の許可のある宿日直
2024年4月から始まる医師の時間外労働規制に対応するため、いわゆる寝当直に近い勤務実態にある宿直については、労働基準監督署の許可を得て、労働時間から除くことが課題となっています。
医師、看護師等の断続的な宿日直の許可基準については、令和元年7月1日基発0701第8号において示されていますが、次の就業規則の規定例は、その許可基準に沿った宿日直を規定しています。
病院の中には過去、労働基準監督署の許可を受けたということで、次の規定例のような規定を就業規則に設けている場合がありますが、勤務実態が許可条件に適合していないと、労働基準監督署から否認され、通常の賃金および割増賃金を支払うよう求められる可能性があります。
したがって、今一度、それぞれの病院における医師の宿日直の勤務実態を許可条件に照らし合わせて、確認する必要があります。
【就業規則の規定例】
(宿日直)
第〇条 労働基準監督署長の許可を受けて、通常の労働時間外に宿直をさせ、または休日に日
直をさせることがある。ただし、18歳未満の者に対しては宿日直をさせることはない。
2 宿直勤務は、17時30分から翌日8時30分まで、日直勤務は病院休診日において8時30分か
ら17時30分まで勤務するものとする。
3 宿日直勤務者は、次のいずれかの事項を行わなければならない。
⑴ 病院の建物、設備、備品。書類等の保全
⑵ 突発的な救急患者の受付、電話および文書の収受
⑶ 病院内の監視
⑷ 特殊の措置を必要としない軽度の、または短時間の業務
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