今週のコラム第149号「医師の派遣にも影響を与える大学病院における医師の働き方改革の動向」(2024年10月1日号)

多くの病院は大学病院から医師の派遣を受け入れていますが、大学病院の医師の41.4%がB水準などの特例水準の適用を受け、これから年間75時間ずつ時間外労働時間を減らしていかなければなりません。今は大学病院から医師が派遣されていても、今後の大学病院における医師の働き方改革の動向によって、余談を許しません。

また、大学病院における医師の働き方改革の取組は、今後、他の病院にも広がっていくものと予想されますので、その動向に注目する必要があります。

今回は、去る9月11日に全国医学部長病院長会議が発表した「大学病院の医師の働き方改革に関するアンケート調査結果」をもとに、大学病院における医師の働き方改革の動向をご紹介します。

 

医師の派遣にも影響を与える大学病院における医師の働き方改革の動向

 

1 令和6年4月時点における各特例水準対象医師数

 

 〇 令和6年4月時点において、特例水準に申請した医師は41.4%となっている。

 〇  前回の調査(令和4年7月調査)に比べて特例水準の対象医師数は34.2%から41.4%

  増加している。

 

2 労働と自己研鑽の考え方の周知および理解度について

 

 〇 労働と自己研鑽に関する理解度は、88.3%が理解していると回答しているが、臨床研修

  医や専攻医の7割程度は理解があるものの、もう少し理解促進が必要と考えられる。

 

3 医師の勤務時間短縮に向けて取り組んでいる内容

 

 〇 医師の勤務時間短縮に向けては、チーム制の導入、勤務時間内の患者説明や会議の実施

  などに取り組んでいる。特に、医療現場ではなかなか進まないと思われる「複数主治医制

  /チーム制の実施」についても、84.1%が実施している。

   また、「救命救急センター等の24時間稼働部署への交代制勤務の導入」も、75.6%が実

  施している。

4 特定行為研修修了看護師の配置状況

 

 〇 特定行為研修修了看護師の配置状況は、前回の調査(令和4年7月調査)の808人から

  1,345人と増加している。

 

5 看護師が特定行為以外で行っている業務

 

 〇 看護師が特定行為以外でも医師の時間外労働削減のための業務も実施している。

6 医師事務作業補助者の業務内容

 

 〇 医師事務作業補助者による医師の負担軽減については、単なる事務作業から診療録の代

  行入力や紹介状の作成などにより医師の負担軽減につながる内容が増加してきている。

7 薬剤師が医師の負担軽減のために実施している業務等

 

 〇 薬剤師による医師負担軽減への取り組みも進んできているが、労働条件の関係から薬剤

  師の採用が困難な状況が続いている。

8 令和6年4月の週平均総労働時間(個人調査)

 

 〇 週平均の労働時間は、週50時間未満の医師が41.5%から49.6%と増加し、タスクシフト

  やチーム制の導入などの取り組みにより、少しずつではあるが労働時間の減少が進んでき

  ている。

 〇 週平均の労働時間が60時間未満(時間外・休日労働が年960時間以下)が77.7%を占め

  ており、前回調査70.2%より増加している。今後週60時間以上の医師を重点に改善が望ま

  れる。

 

9 令和6年4月の週平均総労働時間(職位別)(個人調査)

 

 〇 4月の週平均総労働時間を職位別、年代別調査したところ、職位別では医員、専攻医

  が、年代別では20代、30代が週60時間以上の割合が多くみられた。

 

10 令和6年4月の週平均兼業・副業先の労働時間(個人調査)

 

 〇 4月の週平均兼業・副業先の労働時間は、週5時間から10時間が57.7%と多く、週1日程

  度兼業・副業に従事している状況である。

 

11 令和5年度と比べた令和6年4月の兼業・副業先での労働時間の変化(職位別)(個人調査)

 〇 令和5年度と令和6年の兼業・副業先の労働時間の変化を調査したところ、増加したと回

  答した者は4.7%、減少したと回答した者は9.4%おり、減少したが増加したを上回った

12 診療報酬改定に伴う医師等の賃上げへの対応

 

 〇 令和6年度診療報酬改定により医師等の賃上げが盛り込まれたが、その対応状況につい

  て調査を行った。

 〇 各大学では、人事院勧告等を含め大学全体での対応や多職種との関係など財政が厳しい

  中で苦慮しており、実施時期の遅れなどがみられる。

13 本務地における年間給与支給総額(年代別)(個人調査)

 

 〇 本務地(大学病院)から支給される年間給与支給総額について調査を実施した。かねてか

  ら他の病院と比較して特に若手医師の給与が低いとの指摘があったが、20代医師の

  87.3%、30代医師の51.3%が年間総支給額が500万円未満と回答している。働き方改革を

  実施していくためには、大学病院の医師確保が重要であり、待遇改善への取り組みが必要

  となっている。

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