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令和6年度診療報酬改定に伴う施設基準の届出も終わり、ほっとしている病院関係者も多いのではないでしょうか。特に、ベースアップ評価料の算定については、今回初めて導入されたもので、他の病院の動向も気になるところです。
そこで、弊社では、メルマガ送信先の病院等のご協力を得て、ベースアップ評価料による賃上げについて、緊急調査を実施しました。
今回は、ベースアップ評価料による賃上げの状況について、速報をお知らせいたします。
ベースアップ評価料による賃上げ~緊急調査速報~
1⃣そもそもベースアップ評価料のねらいは、どこにあったのか?
医師や看護師は他の一般労働者に比べ、賃金水準は高く、なぜ診療報酬改定においてベースアップを促進しようとしたのでしょうか。
次の図は、中医協において議論されたときの資料ですが、これを見ますと、コメディカル(医師・歯科医師・薬剤師・看護師を除く医療関係職種)の給与の平均は全産業平均を下回っており、特に看護補助者については全産業平均を大きく下回り、介護職員と比べても下回っている状況にあります。
現在、政府全体で賃上げを進める中、令和5年度春闘では、平均3.58%(ベア分2.12%)(300人未満3.23%(ベア分1.96%))の賃上げを実現しました。
しかしながら、医療・介護分野の賃上げは、診療報酬という公定価格の下で、次のとおり、半分程度の水準(1%台)にとどまっています。
一方、高齢化等による需要増加にもかかわらず、医療介護分野とも、人材確保の状況が悪化するとともに、有効求人倍率は全職種平均の2~3倍程度の水準で高止まりしています。
以上のような状況にありますが、病院の収益のほとんどが公定価格である診療報酬に依存しており、その自助努力だけでは医療従事者のベースアップを期待することは困難であることから、令和6年度診療報酬改定において、初めてベースアップ評価料を導入し、医療従事者のベースアップを促すことにしたということです。
2⃣ベースアップ評価料による賃上げは、どのように行われたか?
そこで、弊社では、メルマガ送信先の病院等のご協力を得て、ベースアップ評価料による賃上げについて、緊急調査を実施しました。その結果をまとめたのが、次の表です。
【ベースアップ評価料による賃上げの特徴】
①政府目標は達成できたか。
政府目標は、次の図にあるとおり、賃金を令和6年度にまとめて引き上げを行う場合、
+3.5%、2年間で段階的に引き上げを行う場合、令和6年度+2.5%、令和7年度+4.5%となっています。
今回の緊急調査の結果、令和6年度の対象職員(全体)のベア等による賃金増率は、2.5%以上の病院が多い結果となりました(14/18)。
そのうち、賃金を令和6年度にまとめて引き上げを行い、賃金増率が3.5%以上となったものが1病院、2年間で段階的に引き上げを行い、令和6年度の賃金増率が4.5%以上となったものが1病院で、この2病院は、政府目標を達成しました。
また、2年間で段階的に引き上げを行い、令和6年度の賃金増率が2.5%以上4.5%未満となり、政府目標達成は令和7年度次第となったものが6病院ありました。
それ以外の病院(10/18)は、政府目標が未達の結果となっており、今回の緊急調査の結果を見る限り、政府目標の達成は、なかなか厳しい状況にあると言えます。
②賃上げの具体的な方法
賃上げの具体的な方法については、基本給の引き上げ(賃金表の改定)と明示して回答のあった病院は、2件のみでした。
多くの病院(11/18)は、やはり、毎月、基本給とは別に、手当として一定額または一定率を支給するという回答となっています。
これは、おそらく、今回導入されたベースアップ評価料が、令和8年度以降、どうなるかわからないということで、基本給そのものを引き上げることをためらった結果ではないかと思われます。
ただし、基本給と連動させずに一定額の手当を支給する場合、職員の役割、能力、成果等にかかわらず一律の取扱いとなり、せっかく病院が持ち出し負担するのであれば、より頑張っている職員に手厚く処遇したいところです。
そこで、今回の緊急調査の対象となった病院の中には、基本給の2.5%に相当する処遇改善手当を支給するところがあり、ひとつの工夫の仕方だと思います。
③40歳未満勤務医師や事務職員を賃上げの対象としたか。
今回のベースアップ評価料の対象職員には、40歳未満勤務医師や事務職員は含まれていませんが、対象職員に対し2.5%以上のベースアップ等を行った場合には、それらも対象に加えてよいことになっています。
今回の緊急調査の結果、40歳未満勤務医師については賃上げの対象としない病院が多い
(14/18)のに対し、事務職員については賃上げの対象とした病院が多くなっています
(12/18)。
やはり職員間の公平性を考慮した結果だろうと思われます。
④まとめ
今回は、ベースアップ評価料が初めて導入されたということで、各病院とも試行錯誤の中、対象職員に対する賃上げを実施されたわけですが、このベースアップ評価料がいつまで続くかわからないということで、多くの病院は基本給とは切り離して、手当を支給するという形態をとられています。
ただ、介護職員の場合、介護報酬において介護職員処遇改善加算が導入されてから10年以上継続され、令和6年度改定においてはさらに拡充されています。
また、冒頭ご説明したような医療関係職種の給与の状況や今後の人材確保の困難さ等を考えると、診療報酬という公定価格の中で、賃上げを促進する要素は今後も継続するものと考えられます。
そうだとすると、医療関係職種の賃金制度全体を、①職員の方向づけ、②公正処遇の実現、③人材の育成という、賃金・人事評価制度の本来の目的に適合したものになっているかどうか、あらためて見直してみてはいかがでしょうか。
弊社では、今回の緊急調査結果の詳しい内容のほか、令和6年度診療報酬改定を契機とした、病院の賃金制度改革について、緊急セミナーを開催します。 ぜひ奮ってご参加ください。 |
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