今週のコラム第63号「『医師の働き方改革』を見据えた医師の勤務体制の改善」(2022年6月28日号)

いきいき働く医療機関サポートWeb(通称「いきサポ」)で紹介されている取組事例をご紹介します。今回は、「『医師の働き方改革』を見据えた医師の勤務体制の改善【高田病院 加治木温泉病院、鹿児島市泉町2番3号そうしん本店ビル4F、回復期機能】」です。

 

取り組んだ内容

夜勤負担の軽減(夜勤明けの早帰りの推進、夜勤者の

 配置人数の見直し、夜勤回数の制限、仮眠時間の確保

 等)を行っている。

補助職(医師事務作業補助者、看護補助者等)を配置している。

電子カルテを活用した業務効率化・省力化に取り組んでいる。

学会への参加者に対し、勤務を免除する、通常勤務の時間を短くするなどの措置をとってい

 る。

 

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

 当時、高田病院・加治木温泉病院の新築移転を計画しており、鹿児島市の地方創生プロジェクトとしての『キラメキ テラス構想』と姶良市の地方創生プロジェクトとしての『JOYタウン構想』として計画し実行している。その中で地域のニーズに対応した病院機能へ転換していくためには、医師の確保ならびに常勤医の仕事の負担軽減などが最重要事項と考え、理事長を中心に勤務医の負担を軽減し、勤務医がやりがいを持って本来のやるべき仕事に注力できるように取り組んだ。

 

取組対象

  • 取組対象
    医師
  • 取組の中心部署・人物
    医師の確保には理事長自ら関わり、法人事務局幹部スタッフと人事課で対応。
  • 取組詳細
    【医師の確保】
    医師の確保については積極的に行っており、高田病院では2014年度7名の常勤医師が2018年度8名(2019年9月現在10名)、加治木温泉病院では2014年度12名の常勤医師が2018年度18名(2019年9月現在20名)と確実に増えてきている。医師の確保については、以前は紹介会社からの紹介が多かったが、医師の体制ができはじめてから、理事長をはじめ、医師同士のつながりで紹介による入職が多くなってきた。非常医の常勤換算をして医療法上における医師の充足状況は、高田病院が必要数4.7名に対して、実働10.3名(+5.6名)、充足率219%、加治木温泉病院が、必要数12.1名に対して、実働22.6名(+10.5名)、充足率186%となってきており、医師の働き方改革に向けた取り組み状況として、1人当たりの負担の軽減は図れていると思います。
    【医師の当直について】
    高田病院の当直に関しては、鹿児島大学の医局からの派遣や定期非常勤で現在では全体の9割は院外からの確保で賄っているが、加治木温泉病院の当直は全体の6割~7割は常勤医師で調整しているため、当直における常勤医師への負担は高田病院に比べて大きい状況であった。さらに加治木温泉病院は2018年5月より救急告示の指定を取得したこともあり、さらに常勤医師への当直負担が大きくなった。そこで取った対応が、当直明けの日勤帯は午前中勤務のみとし、午後は休暇を取っていただいくことにした。さらに2018年8月から当直手当の見直しも行ったことで、精神的ストレスも軽減された。また当直手当の見直しを行ったことでよりスポット医師の応募も増え、常勤医師の当直割合は、わずか23%程度となり、常勤医師の負担はさらに軽減された。
    【電子カルテの導入ならびに医療クラークへのタスクシフティング】
    2014年度より電子カルテを導入。その入力補助に医療クラークを導入しその入力のサポートならびに書類作成など医師の業務負担軽減に努めている。
    当法人には高田病院に
    【キャリア形成支援】
    医師については、年2回の学会参加については、勤務を免除し、交通費、学会参加費を法人で負担し、医師のキャリア形成支援を行っている。また法人として、かかりつけ医、産業医、総合診療専門医の資格取得について推奨しており、現在、1名の医師が産業医の資格を取得し、2名の医師が総合診療専門医の資格取得のために長期研修に参加している。さらに法人経営、病院経営に必要なトップマネージメント研修等にも参加し、医師のキャリアアップに貢献している。

 

実施後の成果

【医師の確保数】

 高田病院 は2014年度7名の常勤医師が2018年度8名(2019年9月現在10名)
 加治木温泉病院では2014年度12名の常勤医師が2018年度18名(2019年9月現在20名)

【医師の充足率】
 高田病院医師充足率:2014年度:198%→2018年度:219%

 加治木温泉病院医師充足率:2014年度:137%→2018年度:187%

【加治木温泉病院において常勤医の当直割合】

 2017年度常勤医の当直割合 65% → 2018年度常勤医の当直割合 23%

 

 医師については、年2回の学会参加については、勤務を免除し、交通費、学会参加費を法人で負担し、医師のキャリア形成支援を行っている。

 また法人として、かかりつけ医、産業医、総合診療専門医の資格取得について推奨しており、現在、1名の医師が産業医の資格を取得し、2名の医師が総合診療専門医の資格取得のために長期研修に参加している。さらに法人経営、病院経営に必要なトップマネージメント研修等にも参加し、医師のキャリアアップに貢献している。

 

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

 常勤医が増えたことで、勤務医の負担を軽減し、勤務医がやりがいを持って本来のやるべき仕事に注力できるようになった。
 当時、現在両病院の新築移転に伴い、病床再編、病院機能の見直しを行っている最中であり、とくにこれからもっと医療ニーズの高い患者を多く受け入れていくためにも、医師の確保は重要である。

 これから本格的に医師の働き方改革の施行に対応していくためにも、医師の確保は重要。

 

今後の課題等について

 医師の高齢化もあります。

 2018年度現在、高田病院では常勤医師8名のうち4名が60歳以上であるため、若い医師の採用

 が必要です。

 《高田病院》 平均年齢:57.6歳 「最年少:48歳、最年長64歳」

 医師の年齢については、加治木温泉病院も同様に課題になっております。

 《加治木温泉病院》 平均年齢:56.8歳 「最年少:40歳、最年長:70歳」

 加治木温泉病院が所在する姶良地域では、地域全体で医師の高齢化が進んでいるため、医療提供を継続していくためにも重要な課題となっています。

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