今週のコラム第61号「糖尿病内科における初期研修医の労働環境整備」(2022年6月7日号)

いきいき働く医療機関サポートWeb(通称「いきサポ」)で紹介されている取組事例をご紹介します。今回は、「糖尿病内科における初期研修医の労働環境整備【順天堂大学医学部附属静岡病院、静岡県、急性期機能】」です。

 

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

 糖尿病内科では2018年度以前、ローテートする研修医は少なく、指導医も超過勤務をしていたため、当直明けでも帰りづらい雰囲気があり、当直明けの研修医は昼か夕方まで院内に残っていることが多かった。

 研修医が多くいた方が業務の負担が軽くなることは分かってたのでどうしたら研修医がたくさん集まってくれるか考えるようになった。

 ただし、単に研修医を人手として扱うのではなく、裁量権を与え、モチベーションを持たせ、研修成果を上げてもらう事を目的に取組を開始した。

 

取組対象

  • 取組対象
    医師
  • 取組の中心部署・人物
    糖尿病内分泌内科
  • 取組詳細
    【研修医の勤務環境を改善】
    当直明けの研修医は朝9時までに帰宅するよう促した。それ以降の業務は他の医師で分担した。通常勤務内である8時半〜17時に仕事を終わるよう仕事内容を分担し調整した。当直明けに仕事をしないよう、仕事量の調整に裁量権をもたせた。
    【研修医にて併診患者の治療プランを立案】
    研修医は採血や挿管等の技能面についての経験は豊富であった。しかしながら研修医自身で意思決定する機会が少なく、治療方針を立案し実施する能力は十分ではなかった。そこで、術前血糖コントロールの依頼に対して、治療プランを研修医が立案し、指導医によってダブルチェックを行うことで、主体的に治療に関われるようになった。その過程で適切なインスリンの使用方法、紹介状の作成、他科へのコンサルトの仕方などを習得することができるようになった。
    【月に一度の食事会を実施】
    月に一度、指導医との食事会を行い、糖尿病内科の研修プログラムの良かった所、悪かった所、感情面、翌日以降の改善策などを聴取し、その意見をもとに研修の見直しを行った。

 

実施後の成果

・研修医の労働環境を整備したことにより、当科ローテを希望する研修医の数が増加し、その

 数は過去最大となった(年間29人)。

・時間内に仕事を終わらせるために研修医自身で仕事を調整することにより、自己効力感が増

 した。また、研修医同士が作業分担するようになった。

・併診患者を研修医が受け持ってくれることで指導医の負担が軽減した。

・病棟業務、負荷試験などの実技も研修医が主体的に行うことにより、指導医の業務量が軽減

 した。

・糖尿病内科の収益,紹介患者数は増加傾向にあり、過去最大となった。

・併診患者の治療プランを立案する中でわからないことがたくさん出てくるため、勉強、上級

 医へアドバイスを求める回数が増えた。

・紹介状を書いたことがない研修医が大半であり良い練習の場となった。

・インスリンの使い方、コンサルトのタイミングの仕方を学ぶため、他科研修時も適切なマネ

 ジメントができるようになった。

・月の初めにレクチャーをしてほしいという意見があり、月初めに業務内容、糖尿病の一般的

 知識のレクチャーを行うようになった。

 

これまでの取組成果に対する院内の声・反応

 研修医からは「自分たちで仕事の量をコントロールできるので、自己効力感(self-efficacy)が増して、結構楽しかった。楽しかったし、休めるのも休めたし、また来年も回りたい。」という意見が聞かれた。

 また、糖尿病内科に見学希望する人が増え、毎年のように入局者が出るようになったこと、そして収益も向上したことより経営陣からの評判も良い。

 

今後の課題等について

 研修医だけでなく、3~8年目の医師が当直した後、すぐに退勤出来る仕組みを計画している。

 日中の業務に関係なく、当直のシフトを割り振られている現状があるため、改善したいと考えている。

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