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いよいよ令和4年度診療報酬改定の内容が固まりました。今回は、そのうち、働き方改革に関連する概要について、ご紹介します。
1 地域医療の確保を図る観点から早急に対
応が必要な救急医療体制等の確保
① 地域医療体制確保加算の見直し
地域医療の確保を図り、医師の働き方改革を実効的に進める観点から、地域医療体制確保
加算について対象となる医療機関を追加するとともに、要件及び評価が見直されました。
【ポイント】
ア 地域の救急医療体制における過酷な勤務環境を踏まえ、周産期医療又は小児救急
医療を担う医療機関を、地域医療体制確保加算の対象医療機関に追加するとともに、
評価を見直す。
(現行)520点 (改定後)620点
イ 医師の働き方改革をより実効的に進めるため、「医師労働時間短縮計画作成ガイド
ライン」に沿った計画の作成を地域医療体制確保加算の要件に追加する。
(ただし、令和4年3月31日時点で地域医療体制確保加算の届出を行っている保険医
療機関については、令和4年9月30日までの間、経過措置あり。)
2 医療機関内における労務管理や労務環境の改善のためのマネジメント
システムの実践に資する取組の推進
① 勤務医の負担軽減の取組の推進
勤務医の負担軽減の取組を推進する観点から、手術及び処置に係る時間外加算1等の要件
が見直されました。
【ポイント】
手術及び処置の休日加算1、時間外加算1及び深夜加算1の要件について、手術前日の
当直回数に加え、連続当直の回数に係る制限を追加するとともに、診療科全体における
当直回数から、医師1人当たりの当直回数に規制範囲を変更する。また、当直等を行った
日の記録に係る事務負担の軽減を行う。
② 夜間の看護配置に係る評価及び業務管理等の項目の見直し
看護職員の夜間における看護業務の負担軽減を一層促進する観点から、夜間の看護配置
に係る評価を見直すとともに、業務管理等の項目が見直されました。
【ポイント】
ア 夜勤を行う看護職員及び看護補助者に係る業務の実態等を踏まえ、夜間の看護配
置に係る評価等を見直す。
イ 夜間看護体制加算(急性期看護補助体制加算)等の施設基準における「夜間にお
ける看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目」について、「11 時間以
上の勤務間隔の確保」又は「連続する夜勤の回数が2回以下」のいずれかを満たし
ていることを必須化する。
ウ 看護職員夜間配置加算(精神科救急入院料及び精神科救急・合併症入院料)の施
設基準における「夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項
目」のうち満たすべき項目の数について、2項目以上から3項目以上に変更する。
3 各職種がそれぞれの高い専門性を十分に発揮するための勤務環境の
改善、タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療の推進
① 医師事務作業補助体制加算の見直し
勤務医の働き方改革を推進し、質の高い医療を提供する観点から、医師事務作業補助体制
加算について要件及び評価が見直されました。
【ポイント】
医師事務作業補助者が実施可能な業務に係る整理等を踏まえ、医師事務作業補助体制加
算1及び2について、医師事務作業補助者の経験年数に着目した評価に見直す。
(現行)
医師事務作業補助体制加算1 248~970点
医師事務作業補助体制加算2 238~910点
(改定後)
医師事務作業補助体制加算1 300~1050点
医師事務作業補助体制加算2 260~975点
※ 医師事務作業補助体制加算1の施設基準を、当該保険医療機関における3年以上の勤務
経験を有する医師事務作業補助者が、それぞれの配置区分ごとに5割以上配置されている
こと、に変更。
② 特定行為研修修了者の活用の推進
医師の働き方改革を一層推進する観点から、精神科リエゾンチーム加算等の要件に係る研修
に特定行為研修が追加されました。
【ポイント】
精神科リエゾンチーム加算、栄養サポートチーム加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算及
び呼吸ケアチーム加算の要件として履修が求められている研修の種類に、特定行為に係る
研修を追加する。
③ 病棟薬剤業務実施加算の見直し
小児入院医療管理において、病棟薬剤師による介入が医療の質の向上につながっている
実態を踏まえ、小児入院医療管理料を算定する病棟における病棟薬剤業務実施加算の評価
の在り方が見直されました。
【ポイント】
小児入院医療管理料を算定する病棟について、病棟薬剤業務実施加算を算定可能と
する。
④ 周術期における薬学的管理の評価の新設
薬剤師による周術期の薬物療法に係る医療安全に関する取組の実態を踏まえ、周術期における薬剤師による薬学的管理について、新たな評価が新設されました。
【ポイント】
質の高い周術期医療が行われるよう、手術室の薬剤師が病棟の薬剤師と薬学的管理を
連携して実施した場合の評価を新設する。
⑤ 看護補助者の更なる活用に係る評価の新設
看護職員及び看護補助者の業務分担・協働を更に推進する観点から、看護職員及び看護補助者に対してより充実した研修を実施した場合等について、新たな評価が新設されました。
【ポイント】
看護補助者との業務分担・協働に関する看護職員を対象とした研修の実施等、看護補助
者の活用に係る十分な体制を整備している場合の評価を新設する。
4 業務の効率化に資する ICT の利活用の推進、その他長時間労働などの厳しい勤務環境の改善に向けての取組の評価
① 医療機関における ICT を活用した業務の効率化・合理化
医療機関における業務の効率化・合理化の観点から、カンファレンスの実施等の要件が見直
されました。
【ポイント】
医療従事者等により実施されるカンファレンス等について、ビデオ通話が可能な機器を
用いて、対面によらない方法で実施する場合の入退院支援加算等の要件を緩和する。
② 医療機関等における事務等の簡素化・効率化
医療機関等における業務の効率化及び医療従事者の事務負担軽減を推進する観点から、施設基準の届出及びレセプト請求に係る事務等が見直されました。
ア 所定の研修を修了していることの確認を目的として、施設基準の届出の際に添付を
求めている修了証の写し等の文書について、届出様式中に当該研修を修了している旨
を記載すること等により施設基準の適合性が確認できる場合には、当該文書の添付を
不要とする。
イ 訪問看護ステーションの基準に係る届出について、「担当者氏名」等の変更があっ
た場合など、当該基準への適合の有無に影響が生じない場合においては、当該届出を
不要とする。
ウ レセプトの摘要欄に記載を求めている事項のうち、薬剤等について選択式記載に変
更する。また、一部の診療行為について、レセプト請求時にあらかじめ特定の検査値
の記載を求めることにより、審査支払機関の審査におけるレセプトの返戻による医療
機関の再請求に係る事務負担軽減を図る。
エ 小児科外来診療料等に係る施設基準の届出の省略を行う。
③ 標準規格の導入に係る取組の推進
医療機関間等の情報共有及び連携が効率的・効果的に行われるよう、標準規格の導入に係る
取組を推進する観点から、診療録管理体制加算について、定例報告における報告内容を見直
す。
【ポイント】
診療録管理体制加算に係る定例報告において、電子カルテの導入状況及び
HL7 International によって作成された医療情報交換の次世代標準フレームワークである
HL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)の導入状況について報告を求めること
とする。
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