今週のコラム第38号「同一労働同一賃金のチェックポイント」(2021年9月7日号)

パートタイム・有期雇用労働法(同一労働同一賃金)が2021年4月1日、すべての病院・クリニック、介護事業所に適用されて、まもなく半年となります。皆さんの職場では、同一労働同一賃金が守られていますか。

今回は、厚生労働省から発表されたリーフレットをもとに、同一労働同一賃金のチェックリストをご紹介しますので、各職場の現状を確認してみてください。

 

1.パートタイム・有期雇用労働法の対象となる労働者

 パートタイム・有期雇用労働法の対象となる労働者は、以下のパートタイム労働者及び有期雇用労働者です。

 ■パートタイム労働者・・・1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者

            (※)の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者

 ■有期雇用労働者・・・事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者

 (注)「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」と

   いった名称にかかわらず、上記に当てはまる労働者であれば、パートタイム・有期雇用

   労働法の対象となります。

 ※通常の労働者・・・いわゆる正規型の労働者及び事業主と期間の定めのない労働契約を

           締結しているフルタイム労働者(無期雇用フルタイム労働者)を

           いいます。

           なお、法の対象となるパートタイム労働者に該当するか否かは、当該

           労働者と同種の業務に従事する通常の労働者と比較して判断します。

 

2.パートタイム・有期雇用労働者の就業の実態による区分

 パートタイム・有期雇用労働者は、その就業の実態によって、適用されるパートタイム・

有期雇用労働法上の規定が異なります。雇用しているパートタイム・有期雇用労働者につい

て、通常の労働者と比較して「職務の内容が同じ」かどうか、「職務の内容・配置の変更の

範囲(人材活用の仕組みや運用など)が同じ」かどうかを、以下のチャートにしたがって確認

してください。

3.各職場でのチェックポイント

(1)パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、「昇給の有無」、

 「退職手当の有無」、「賞与の有無」、「相談窓口」を文書の交付などにより明示していま

 すか(違反した場合、行政指導によっても改善されなければ、パートタイム・有期雇用労働

 者1人につき、10万円以下の過料)。

  また、労働基準法では、パートタイム・有期雇用労働者も含めて、労働者との労働契約の

 締結に際して、労働条件を明示することが事業主に義務付けられています。「契約期間」

 「有期労働契約を更新する場合の基準」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業・終業の

 時刻や所定時間外労働の有無、休憩時間、休日、休暇」「賃金の決定・計算・支払の方法」

 「賃金の締切・支払時期」「退職に関する事項」などについては、書面の交付(労働者が

 希望した場合は電子メールやF A Xでも可)で明示することが義務付けられています(違反

 した場合は3 0万円以下の罰金) 。

 

(2)パートタイム・有期雇用労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しよう

 とするときは、当該事業所において雇用するパートタイム・有期雇用労働者の過半数を代表

 すると認められるものの意見を聴いていますか。

 

(3)パートタイム・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、その

 待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、パートタイム・有期雇用労働者と通常

 の労働者の職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲(人材活用の仕組みや運用など)、

 その他の事情のうち、その待遇の性質及び目的に照らして適切と認められるものを考慮し

 て、不合理と認められる相違を設けていませんか。

 

  待遇の違いが不合理と認められるかどうかの判断は、個々の待遇(※1)ごとに、その

 待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情(①職務内容、②職務内容・配置の変更

 範囲、③その他の事情(※2))を考慮して判断されます。

  ※1 基本給、賞与、役職手当、食事手当、福利厚生施設、教育訓練、休暇など

  ※2 職務の成果、能力、経験、事業主と労働組合との交渉の経緯など

 

  ガイドライン(指針※3)において、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる

 待遇差が不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示しています。

  ※3 同一労働同一賃金ガイドライン(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する

    不合理な待遇の禁止等に関する指針)

 

(4)職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲(人材活用の仕組みや運用など)通常の

 労働者と同一のパートタイム・有期雇用労働者について、パートタイム・有期雇用労働者で

 あることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いを

 していませんか。

   

  通常の労働者と就業の実態(職務の内容、職務の内容・配置の変更の範囲)が同じと

 判断されたパートタイム・有期雇用労働者は、全ての賃金、教育訓練、福利厚生施設、解雇

 などの全ての待遇について、パートタイム・有期雇用労働者であることを理由として差別的

 に取り扱うことが禁止されています。

 

  賃金の支給額については、所定労働時間が短いことに基づく合理的な差異や、個人の勤務

 成績により生じる差異によるものについては許容されますが、例えば、通勤手当のように、

 一般的に所定労働時間の長短に関係なく支給されるものについては、通常の労働者と同様に

 支給する必要があります。

 

(5)通常の労働者との均衡を考慮しつつ、パートタイム・有期雇用労働者の職務の内容、

 職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金

 (基本給、賞与、役職手当等)を決定していますか。

 

  パートタイム・有期雇用労働者の賃金を客観的な基準に基づかない事業主の主観や、

 パートタイム・有期雇用労働者だからという理由で「パートタイム労働者は一律○○円」と

 いったように一律に決定するのではなく、通常の労働者との均衡を考慮し、パートタイム・

 有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に

 関する事項を勘案して賃金(基本給、賞与、役職手当など職務の内容に密接に関連して

 支払われる賃金) を決定することが努力義務とされています。

 

(6)通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、その通常の労働者が従事する職務の

 遂行に必要な能力を付与するためのものについては、職務の内容が同じパートタイム・有期

 雇用労働者が既にその職務に必要な能力を有している場合を除き、そのパートタイム・有期

 雇用労働者に対しても実施していますか。

  また、通常の労働者と職務の内容が異なるパートタイム・有期雇用労働者についても、

 通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験

 その他の就業の実態に関する事項に応じ、そのパートタイム・有期雇用労働者に対して教育

 訓練を実施していますか。

 

(7)通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設(給食施設、休憩室、更衣室)

 については、パートタイム・有期雇用労働者に対しても、利用の機会を与えていますか。

 

(8)通常の労働者への転換を推進するため、パートタイム・有期雇用労働者について、次の

 いずれかの措置を講じていますか。

  ・通常の労働者を募集する場合、その募集内容を既に雇っているパートタイム・有期雇用

   労働者に周知する。

  ・通常の労働者のポストを社内公募する場合、既に雇っているパートタイム・有期雇用

   労働者にも応募する機会を与える。

  ・パートタイム・有期雇用労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設ける。

  ・その他通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずる。

 

  転換を推進するためにも、どのような措置を講じているか、事業所内のパートタイム・

 有期雇用労働者にあらかじめ周知することが求められます。また、長期間にわたって通常の

 労働者に転換された実績がない場合については、転換を推進するための措置を講じたとは

 いえない可能性があり、周知のみで応募はしにくい環境になっているなど、措置が形骸化

 していないか検証する必要があります。

 

(9)パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、実施する雇用管理の

 改善に関する措置の内容を説明していますか(※1)。

  また、パートタイム・有期雇用労働者から求めがあったときは、通常の労働者との間の

 待遇の相違の内容及び理由と待遇を決定するに当たって考慮した事項を説明していますか。(※2)

  パートタイム・有期雇用労働者がその求めをしたことを理由として、そのパートタイム・

 有期雇用労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしていませんか。

 

 ※1 説明内容の例

  ・賃金制度はどのようなものとなっているか

  ・どのような教育訓練があるか

  ・どの福利厚生施設が利用できるか

  ・正社員への転換推進措置としてどのようなものがあるか   など

 

 ※2 説明内容の例

  ・比較対象の通常の労働者との間で待遇の決定基準に違いがあるか、違う場合は

   どのように違うのか

  ・なぜ違うのか

  ・教育訓練の実施や福利厚生施設の利用の決定に当たり何を考慮したか

   (通常の労働者との違いがある場合は、なぜ違うのか)

  ・正社員への転換推進措置として講じる措置の決定に当たり何を考慮したか  など

 

(10)パートタイム・有期雇用労働者からの相談に応じ、適切に対応するための必要な体制

 (苦情を含めた相談に応じる窓口等の体制)が整備されていますか。

 

(11)常時10人以上のパートタイム・有期雇用労働者を雇用する事業所ごとに、短時間・

 有期雇用管理者を選任していますか。

 

  「短時間・有期雇用管理者」に期待される業務は以下のようなものとされています。

 ① 法や関係指針に定められた事項、その他のパートタイム・有期雇用労働者の雇用管理の

  改善などに関する事項について、事業主の指示に従い必要な措置を検討し、実施する

  こと。

 ② 労働条件などに関して、パートタイム・有期雇用労働者の相談に応じること。

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