今週のコラム第25号「LGBTの認証制度・PRIDE指標」
(2021年5月11日号)

医療・福祉・介護サービスの職場においても、LGBTの職員の受入れを進めているところがあります。今後、採用難が見込まれる中、多様な人材に開かれた職場であることをPRすることは、他の事業所との差別化となり、職員の採用に有利であるとともに、職場に活力を生み出すことにもなります。

 

今回は、今年の7月1日から募集が始まるLGBTのPRIDE指標という認証制度をご紹介します。

 

【PRIDE指標とは】

PRIDE指標とは、任意団体であるwork with Pride(以下「wwP」といいます。)が、2016年に日本初の職場におけるLGBTQ(注)などのセクシュアル・マイノリティへの取組みの評価指標として策定したものです。

(注)LGBTQ:レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(bisexual)、トランスジェン

  ダー(Transgender)、クイア/クエスチョニング(Queer/Questioning)の頭文字。

 

具体的には、次の5つの指標によって評価されます。

 

1.Policy: 行動宣言

 

 企業や団体の中の一部の人が取り組むのではなく、全体で取り組む課題であることを社内外に理解してもらうことが重要と考え、設定しています。

 

 (評価指標)

  会社としてLGBTQ等の性的マイノリティに関する方針を明文化し、インターネット等で

 社内・社外に広く公開していますか。

  • 方針には以下の内容を含むものとする:性的指向、性自認(または、同等の意味を持つ別の言葉)に基づく差別をしない(または、尊重する)。
  • 単独の方針でも、行動規範や人権方針、ダイバーシティ宣言等の一部に含まれていてもよい。

 

2.Representation: 当事者コミュニティ

 

 社内に当事者コミュニティや相談窓口があることで、当事者は同じ悩みを共有したり、適切な専門家へ相談したりすることができます。また、一人では伝えづらいような職場環境に関する要望も、コミュニティとして人事部等に伝えることができるという観点から、設定しています。

 

 (評価指標)

  LGBTQ当事者・アライ(Ally、支援者)に限らず、従業員が性的マイノリティに関する

 意見を言える機会を提供していますか。(社内のコミュニティ、社内・社外の相談窓口、

 無記名の意識調査 等)

  また、アライを増やす、顕在化するための取り組みがありますか。

 

3.Inspiration: 啓発活動

 

 LGBTQに対する理解が進むことで、差別的取り扱いがなくなり、LGBTQの社員もLGBTQでない社員も気持ちよく働ける職場環境を整えていくことが重要と考え、本指標を設定しています。

 

 (評価指標)

  過去2年以内に、従業員に対して、性的マイノリティへの理解を促進するための取組み

 (研修、啓発用メディア・ツールの提供、イントラ等での社内発信、啓発期間の設定等)を

 行っていますか。

 

4.Development: 人事制度、プログラム

 

 LGBTQの社員も、LGBTQでない社員と同等の取り扱いとなるような対応、またトランスジェンダーの社員向け対応を、福利厚生等の整備により出来る範囲から実施していくことが重要であると考え、設定しています。

 

 (評価指標)

  以下のような人事制度・プログラムがある場合、婚姻関係の同性パートナーがいることを

 会社に申請した従業員およびその家族にも適用していますか (申告があれば

    適用しますか。)。

      なお、LGBTQのための人事制度・プログラムは、以下の項目に限定されるものでは

 ありません。

  1. 休暇・休職(結婚、出産、育児、養子縁組、家族の看護、介護等)
  2. 支給金(慶事祝い金、弔事見舞金、出産祝い金、家族手当、家賃補助等)
  3. 赴任(赴任手当、移転費、赴任休暇、語学学習補助等)
  4. その他福利厚生(社宅、ファミリーデー、家族割、保養所等)

  トランスジェンダーの従業員に以下のような施策を行っていますか

 (申告があれば適用しますか)。

  1. 性別の扱いを本人が希望する性にしているか(健康診断、服装、通称等)
  2. 性別適合手術・ホルモン治療時の就業継続サポート(休職、勤務形態への配慮等)
  3. ジェンダーに関わらず利用できるトイレ・更衣室等のインフラ整備

 

5.Engagement/Empowerment: 社会貢献・渉外活動

 LGBTQが暮らしやすい社会を実現するために、企業は、社内の施策だけでなく、他社、NGO/NPO、行政等、様々なステークホルダーと連携して行動を起こすことが重要であり、社会への大きな効果を期待することができます。このことから本指標を設定しています。

 

 (評価指標)

  LGBTQへの社会の理解を促進するための社会貢献活動や渉外活動を行いましたか。

  (例)LGBTQイベントへの社員参加の呼びかけ、協賛、出展、主催、寄付、業界団体へ

   の働きかけ、LGBTQをテーマとした次世代教育支援

 

 

【『PRIDE指標2021』の募集】

 

『PRIDE指標2021』では、2021年7月1日(木)から8月31日(火)まで、本指標に対する企業・団体等の取り組み内容が募集されます。LGBTQに対する企業・団体内での新たな取り組みや、新たなアイデアの企画など優れた取り組みは、ベストプラクティスとして選定し、11月に開催予定の『work with Pride 2021』カンファレンスで発表される予定です。

 

 (応募資格)

 日本法に定めのある法人格を有する法人が、応募できます。(例:民法上の組合、社団法人および財団法人ならびに会社法上の各種会社、各種特別法に定められる各種法人、地方公共団体等)

 日本法人と資本関係のあるなしにかかわらず、外国法に定めのあるいわゆる外国会社は応募主体とはなりえず、その取組みは採点対象に含まれません。(例:国外の親会社、子会社等)

 ただし、いわゆる反社会的勢力でなく、反社会的勢力との関係等がない企業および団体に限られます。

 なお、自社の子会社またはグループ会社を含めた「○○グループ」としてのグループ会社連名での応募は、当該各会社において、各指標への回答が全く同様となる場合のみ、可能とされています。

 

(出典)work with Pride PRIDE指標2018

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