今週のコラム第23号「メンタルで休業した職員の職場への復帰支援」(2021年4月27日号)

職業生活等において強い不安、ストレス等を感じる労働者は約6割に上っており、また、メンタルヘルス上の理由により過去1年間に連続1か月以上休業した労働者の割合は0.4%となっており、事業所規模が大きくなるほどその割合は高くなっています。

このような状況の中、心の健康問題により休業する職員への対応は、医療機関や介護事業所にとっても大きな課題となっています。

今回は、メンタルで休業した職員の職場への復帰支援について、そのポイントをご説明します。

 

メンタルで休業した職員が円滑に職場復帰するためには、職場復帰支援プログラム(※)の策定や関連規程の整備等により、休業から復職までの流れをあらかじめ明確にしておくことが必要です。

 ※ 職場復帰支援プログラム…職場復帰支援についてあらかじめ定めた事業場全体のルール

 

【職場復帰支援の流れ】

 〈第1ステップ〉 病気休業開始及び休業中のケア

               ⇓

 〈第2ステップ〉 主治医による職場復帰の可能性の判断

               ⇓

 〈第3ステップ〉 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プラン(※)の作成

  ※ 職場復帰支援プラン…休業していた労働者が復職するに当たって、

              復帰日、就業上の配慮など個別具体的な支援内容を定めたもの

               ⇓

 〈第4ステップ〉 最終的な職場復帰の決定

               ⇓

             職場復帰

               ⇓

 〈第5ステップ〉 職場復帰後のフォローアップ

 

【職場復帰支援の各ステップのポイント】

 〈第1ステップ〉病気休業開始及び休業中のケア

   職員が病気休業期間中に安心して療養に専念できるよう、次のような項目について

  情報提供等の支援を行いましょう

   ・傷病手当金などの経済的な保障

   ・不安、悩みの相談先の紹介

   ・公的または民間の職場復帰支援サービス

   ・休業の最長(保障)期間等

 

 〈第2ステップ〉 主治医による職場復帰の可能性の判断

   主治医による診断は、日常生活における病状の回復程度によって職場復帰の可能性を

  判断していることが多く、必ずしも職場で求められる業務遂行能力まで回復しているとの

  判断とは限りません。

   このため、主治医の判断と職場で必要とされる業務遂行能力の内容等について、

  産業医等が精査した上で採るべき対応を判断し、意見を述べることが重要です。

 

   〈第3ステップ〉 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成

  1 情報の収集と評価

   ① 職員の職場復帰に対する意思の確認

   ② 産業医等による主治医からの意見収集

     診断書の内容だけでは不十分な場合、産業医等は職員の同意を得た上で、

    必要な内容について主治医からの情報や意見を収集します。

   ③ 職員の状態等の評価

   ④ 職場環境等の評価

   ⑤ その他

  2 職場復帰の可否についての判断

    職場復帰が可能か、事業場内産業保健スタッフ等が中心となって判断を行います。

    ※事業場内産業保健スタッフ等…衛生管理者等、事業所内の保健師等及び

     心の健康づくり専門スタッフ、人事労務管理スタッフ等

  3 職場復帰支援プランの作成

   ① 職場復帰日

   ② 管理監督者による就業上の配慮

   ③ 人事労務管理上の対応等

     配置転換や異動の必要性、勤務制度変更の可否及び必要性

   ④ 産業医等による医学的見地からみた意見

   ⑤ フォローアップ

   ⑥ その他

     試し出勤制度等

     ※試し出勤制度等の例

     ア 模擬出勤:職場復帰前に、通常の勤務時間と同様な時間帯において、短時間

      又は通常の勤務時間で、デイケア等で模擬的な軽作業やグループミーティング等

      を行ったり、図書館などで時間を過ごす。

     イ 通勤訓練:職場復帰前に、職員の自宅から職場の近くまで通常の出勤経路で

      移動を行い、そのまま又は職場付近で一定時間を過ごした後帰宅する。

     ウ 試し出勤:職場復帰前に、職場復帰の判断等を目的として、本来の職場などに

      試験的に一定期間継続して出勤する。ただし、この制度の導入に当たっては、

      この間の処遇や災害が発生した場合の対応、人事労務管理上の位置づけ等に

      ついて、あらかじめ労使間で十分に検討しておくとともに、一定のルールを

      定めておく必要がある。

 

 〈第4ステップ〉 最終的な職場復帰の決定

  1 職員の状態の最終確認

  2 就業上の配慮等に関する意見書の作成(産業医等)

  3 事業者による最終的な職場復帰の決定

  4 その他

 

 〈第5ステップ〉 職場復帰後のフォローアップ

  職場復帰後は、管理監督者による観察と支援のほか、事業場内産業保健スタッフ等による

 フォローアップを実施し、適宜、職場復帰支援プランの評価や見直しを行います。

 

もっと詳しくお知りになりたい方は、厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の

職場復帰支援の手引き」をご参照ください。

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