今週のコラム第17号「いよいよ始まる、マイナンバーカードの健康保険証利用」(2021年3月2日号)

いよいよ本年3月下旬より、マイナンバーカードの健康保険証利用が始まります。これは、病院やクリニックの業務の効率化にも資するものです。3月中に顔認証付きカードリーダーの申込を行った医療機関・薬局には、特別な財政支援策も用意されています。今回は、このマイナンバーカードの健康保険証利用について、ご紹介します。

 

【オンライン資格確認の導入

(マイナンバーカードの保険証利用)】

 

本年3月下旬より、医療機関・薬局の窓口で、マイナンバーカードのICチップまたは現在の健康保険証の記号番号等を利用して、患者の直近の資格情報等が確認できるようになります。

 

このオンライン資格確認の導入により、資格喪失後受診による過誤請求の削減や事務コストの削減が図られます。

 

今までは受付で健康保険証を受け取り、保険証記号番号、氏名、生年月日、住所等を医療機関システムに入力する必要がありました。

 

オンライン資格確認を導入すれば、マイナンバーカードでは最新の保険資格を自動的に医療機関システムに取り込むことができます。保険証でも、最小限の入力は必要ですが、有効であれば同様に資格情報を取り込むことができます。

 

また、マイナンバーカードを用いた本人確認を行うことにより、医療機関等において特定健診や薬剤情報を閲覧できるようになり、より良い医療を受けられる環境となります。

 

【「加速化プラン」を踏まえた追加的な財政補助】

 

マイナンバーカードも保険証として使えるようにする「オンライン資格確認等システム」の仕組みについては、本年3月の開始時点で6割程度の医療機関・薬局において導入することが目指されています。

 

コロナ禍により医療機関等の経営状況に影響が及んでいる状況下でも、できるだけ早期に、多くの医療機関・薬局が導入するよう、「令和3年3月までに顔認証付きカードリーダーの申込を行った医療機関・薬局」に限定して、構築に要した費用(※)について一定の補助上限まで実費補助(自己負担なし)が行われます。

 

 ※ 顔認証付きカードリーダーは、病院は3台まで、診療所は1台無償提供されます。

  今回財政補助される費用とは、①オンライン資格確認の導入に必要となる資格確認端末

  (パソコン)の購入・導入、②ネットワーク環境の整備、③レセプトコンピュータ、

  電子カルテシステム等の既存システムの改修等であり、病院の場合、190.3万円~210.1万

  円を上限に、診療所の場合、42.9万円を上限に、実費補助(自己負担なし)が

  行われます。

 

【顔認証付きカードリーダー申込状況(2021年2月21日時点)】

セグメント 申込施設数 割合
病院(全国) 3,530/8,284施設 42.6%
  (埼玉県) 118/343施設 34.4%
  (千葉県) 121/289施設 41.9%
  (東京都) 191/637施設 30.0%
  (神奈川県) 115/342施設 33.6%
医科診療所(全国) 21,883/89,113施設 24.6%
     (埼玉県) 923/3,879施設 23.8%
     (千葉県) 812/3,324施設 24.4%
     (東京都) 2,805/12,182施設 23.0%
     (神奈川県) 1,547/6,296施設 24.6%
歯科診療所(全国) 19,168/70,937施設 27.0%
     (埼玉県) 719/3,702施設 19.4%
     (千葉県) 960/3,367施設 28.5%
     (東京都) 3,281/10,839施設 30.3%
     (神奈川県) 816/5,149施設 15.8%
薬局(全国) 30,249/59,942施設 50.5%
  (埼玉県) 1,565/2,987施設 52.4%
  (千葉県) 1.283/2,481施設 51.7%
  (東京都) 3,464/6,784施設 51.1%
  (神奈川県) 2,085/3,939施設 52.9%
合計(全国) 74,830/228,276施設 32.8%
  (埼玉県) 3,325/10,911施設 30.5%
  (千葉県) 3,176/9,461施設 33.6%
  (東京都) 9,741/30,442施設 32.0%
  (神奈川県) 4,563/15,726施設

29.0%

 

マイナンバーカードの健康保険証としての医療機関等の利用環境整備について、本年3月の開始時点で6割程度の医療機関・薬局において導入することを目標としていますが、2月21日時点で、32.8%と、準備が思うように進んでいないようです。

 

この背景には、周知が十分行われていないことや、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、医療機関等が様子見をしているのではないかと思われます。

 

ただし、準備状況は地域差があり、薬局ではすでに半分以上が導入していることに留意すべきでしょう。

 

なお、顔認証付きカードリーダーの都道府県別申込状況は、毎週データが更新されています。

【マイナンバーカードの普及率】

区分

人口

(R2.1.1時点)

交付枚数

(R3.2.1時点)

人口に対する

交付枚数率

全国 127,138,033 31,980,527 25.2%
埼玉県 7,390,054 1,795,527 24.3%
千葉県 6,319,772 1,641,278 26.0%
東京都 13,834,925 4,093,072 29.6%
神奈川県 9,209,442 2,568,124 27.9%

 

マイナンバーカードの普及率は、全国で25.2%(令和3年2月1日時点)ですが、これも地域差があり、さらに注目すべきは、60歳から84歳までの年齢層の普及率が約30%と高く、医療機関の窓口で健康保険証の代わりにマイナンバーカードを提示する可能性が若い人より高いのではないかと考えられますので、医療機関は留意する必要がありそうです。

以上、マイナンバーカードの健康保険証利用について見てきましたが、来年の4月には診療報酬改定が控えており、国は、来年3月末において、診療報酬改定に伴うシステム改修に合わせて、医療機関等の9割程度での導入を目指しています。そして、2023年3月末には、概ねすべての医療機関等での導入を目指していて、いずれオンライン資格確認は導入していかざるを得ないと考えられますので、各医療機関においては、本年3月中の特別な財政支援制度の活用も視野に入れて、検討されることをお勧めします。

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