今週のコラム第11号「同一労働同一賃金への対応はできていますか?」(2021年1月5日号)

いよいよ本年4月より、資本金の額・出資の総額が5,000万円以下または常時雇用する労働者の数(パートタイマー等を含みます。)が100人以下の病院・クリニック、介護事業所にも、同一労働同一賃金が適用されます。もう準備はお済みでしょうか。今回は、同一労働同一賃金への対応のしかたについて、あらためてお伝えします。

 

まず、次の3点について、それぞれの病院・クリニック、介護事業所の状況を確認してみてください。

 

① 正社員と同じ業務に従事している非正規労働者(パート・アルバイト等)がいる。

 

② 正社員には支給しているが、非正規社員には支給していない手当がある。

 

③ 非正規社員には賞与・退職金を支給していない。

 

①から③までで該当する項目がありましたら、次の点をご確認ください。

 

① 同一法人・クリニック内の正社員と非正規労働者の間の不合理な待遇差が禁止されます。

 業務の内容や責任の程度等が同じ場合は、同じ待遇(均等待遇)、違う場合は違いに応じた

 待遇(均衡待遇)が求められます。

 

 【不合理な待遇差の禁止】

 

 同一法人・クリニック内において、正社員と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

 

 均等待遇(差別的取扱いの禁止)

  ① 職務内容 ② 職務内容・配置の変更の範囲 が同じ場合、

  待遇について同じ取扱いをする必要があります。

 

 均衡待遇(不合理な待遇差の禁止)

  ① 職務内容 ② 職務内容・配置の変更の範囲 ③ その他の事情 の違いに応じた

  範囲内で、待遇を決定する必要があります。

 

 ※ 不合理な待遇差の禁止について、特に罰則はありませんが、行政からの助言・指導・

  勧告の対象となり、均等待遇について行政の勧告に反すれば、病院・クリニック、

  介護事業所の名前が公表されます。

 

 【労働者に対する待遇に関する説明義務の強化】

 

 非正規雇用労働者は、「正社員との待遇差の内容や理由」など、自身の待遇について事業主に説明を求めることができるようになります。事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければなりません。

 

 【行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備

 

 都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続きを行います。「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由に関する説明」についても、行政ADRの対象となります。

 これまでは、時間と費用のかかる裁判に訴えるしか方法がありませんでしたが、今後は、手軽に争いを起こせるようになります。

 

②・③ 各種手当や賞与・退職金の趣旨・性格等を踏まえて個別に検討する必要があります。

 例)正社員に全額支給している通勤手当を非正規労働者に支給しないor 支給上限を

  定めるといった対応は違法となる可能性があります。

 

 【注目すべき最近の裁判所の判決】

 

 賞与(大阪医科薬科大学事件 令和21013日最高裁判決)

  賞与の目的を「正職員としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図る」ことに

  あるとして、正職員との①職務の内容の違い、②職務の内容や配置の変更の範囲の違い、

  ③その他の事情を考慮して、アルバイト職員に賞与を支払わないことは不合理でない

  とした。

 

 退職金(メトロコマース事件 令和2年1013日最高裁判決)

  退職金の性格のうち、「正社員としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図る」

  という性格を重視して、正社員との①職務の内容の違い、②職務の内容や配置の変更の

  範囲の違い、③その他の事情を考慮して、契約社員に退職金を支給しないことは不合理

  でないとした。

 

 扶養手当(日本郵便事件 令和21015日最高裁判決)

  扶養手当は、長期雇用を前提として基本給を補完する生活手当としての性質および趣旨

  を有する。契約社員についても、扶養親族があり、かつ、相応に継続的な勤務が

  見込まれるのであれば、扶養手当を支給する趣旨はあてはまる。

  争いになった契約社員は、契約期間が6か月以内または1年以内とされており、

  有期労働契約期間の更新を繰り返して勤務する者がいるなど、相応に継続的な勤務が

  見込まれる。したがって、正社員に対して扶養手当を支給する一方で、契約社員にこれを

  支給しないことは不合理と認められるとしている。

 

 住宅手当(日本郵便事件 平成301213日東京高裁判決)

  正社員にも転居を伴う配置転換等が予定されていない場合には、正社員も契約社員も

  住宅に要する費用は同程度であるので、正社員に支給している住宅手当を契約社員には

  支給しないことは不合理であるとしている。

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