今週のコラム第8号「働き方改革の目的は売上を伸ばすこと」(2020年12月1日号)

先日、ある福祉関係者から次のような質問を受けました。「御社は『病院や介護事業所の売上を伸ばす働き方改革実践戦略』を提唱されていますが、どのようにして売上を伸ばすことができますか。」

 

そうです。働き方改革の目的は、売上を伸ばすこと

なんです。

 

働き方改革の目的とは?

 人口の高齢化と出生率の低下により、若い働き手が減少する一方、医療サービスの需要は高まり、それを担う労働者の確保はさらに難しくなります。その中で、病院、クリニック、介護事業所が、必要な人材を確保して、売上を伸ばし、地域社会に貢献するためには、働き方改革を進めていくことが大変重要となります。

 

 つまり、働き方改革の目的は、人材を育成し、売上を伸ばすことにあります。今後ますます進む求人難の中で、仕事と生活のバランスがとれた、多様な働き方と、仕事・役割に応じて報いる人事制度を整備することによって、今働いている人のモチベーションを上げ、求職者にとっても魅力ある職場となります。働く人の評価を適切に行うことで、サービスが向上し、新しい患者や利用者が増加するとともに、仕事の能率が上がり、増収・増益につながります。

 

働き方改革の工程

⑴ 現状認識と問題把握

 次の点の現状認識と問題把握が必要です。

 

① 年次有給休暇の消化状況、労働時間の把握方法、36協定の内容、時間外労働の実態、

 宿日直の取扱いなど

 

② 正規職員と非正規職員(パート・有期)の職務・役割と処遇の違い

 

③ 人事制度(賃金・等級・評価)の有効性

 

⑵ 各医療機関・介護事業所としての働き方改革の基本的な方針及び全体像の設計

 

 各医療機関・介護事業所としての働き方改革の重点課題を整理し、目指すべき成果を決め、

次の3点について、働き方改革の全体像を設計します。

 

① 労働時間・休暇の適正化の取組方針

 

② 非正規職員(パート・有期)の活用方針とそれを実現するための戦略

 

③ 人事制度の目的と運用の検証

 

⑶ 年次有給休暇の計画的取得のための枠組み

 

 年次有給休暇は、単に1年に5日取得すればよいのではなく、本来、自発的な取得を促す環境

整備することが大切です。

 

 自発的に年次有給休暇を取得しづらい職場であれば、計画的に取得させる仕組みをつくり、

いくら勧めても、年次有給休暇を取らない人がいる場合には、使用者の時季指定による取得と

いう方法もあります。

 

⑷ 時間外労働の業務分析と分配、仕分け

 

 特定の職員又は職種の時間外労働が長い場合には、業務の棚卸しをし、属人的な問題には

個別指導、配置転換などを行い、業務のやり方に問題があれば、組織的な対応を含め、改善策

を検討します。

 

 また、時間外労働が真に労働時間と言えるか、上司の指示命令の有無、労働密度などの検証

も必要です。

 

⑸ 職員体制の見直しと外注化

 

 長い時間外労働に構造的な問題がある場合には、次のような検討が必要となります。

 

 ① 各部署の職員定員・業務分担の見直し

 

 ② 職種間での業務分担の見直し

 

 ③ 不要不急の業務の廃止

 

 ④ 費用対効果を考慮した業務の外注化

 

⑹ 職員(正規・非正規)の職務・役割と処遇の関係の明確化

 

 非正規職員(パート・有期)の処遇の在り方を考えるときに、まず必要なことは、今後

各医療機関・介護事業所においてパート・有期雇用職員に期待する職務・役割を整理すること

です。

 

 次に、正規職員の現在の基本給、諸手当、休暇などすべての処遇の趣旨・目的を洗い出し、

趣旨・目的が明確でない処遇があれば、統合、廃止、対象者の見直しなどを行います。

 

 そのうえで、パート・有期雇用職員に期待する職務・役割に応じた処遇を適用します。

 

⑺ 働き方改革における人事制度の設定と運用

 

 人事制度(賃金・等級・評価)の目的が、人材を育成し、売上を伸ばすことにあることを

踏まえ、売上を伸ばすための人事評価制度と、勤務形態を問わず人材育成を促進する賃金・

等級制度の在り方を考え、必要に応じて、現行制度の見直しを行います。

 

⑻ 最終確認と、働き方改革を増収・増益に結び付けるための中長期戦略

 

 このようにして、多様な勤務形態の人材を活かし、各医療機関・介護事業所の売上を

伸ばし、地域社会に貢献するための人事制度を構築していきます。

 

 ただ継続的に効果を発揮するためには、職員の労働時間・休暇を適切に管理し、

真に人材育成につながるための人事評価を適切に運用していくことが必要です。

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