今週のコラム第127号「令和6年度診療報酬改定と賃上げについてわかりやすく解説!」(2024年3月12日号)

ベースアップ評価料等による賃上げ

令和6年度診療報酬改定では、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組として、特例的な対応が行われましたが、その内容はとても複雑です。

そこで、今回は、令和6年度診療報酬改定と賃上げについて、わかりやすく解説します。

 

令和6年度診療報酬改定と賃上げ

1⃣ 全体の概要

 物価高に負けない「賃上げ」の実現を目指し、令和6年度診療報酬改定では、次のような改定を行い、医療従事者の賃上げに必要な診療報酬を創設します。

 ① 病院、診療所、歯科診療所、訪問看護ステーションに勤務する看護職員、病院薬剤師そ

  の他の医療関係職種の賃上げのための特例的な対応として、+0.61%の改定

  (ベースアップ評価料

 ② 40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従

  事する者の賃上げに資する措置として、+ 0.28%程度の改定

  (初再診料等や入院基本料等の引上げ

 ※ ベースアップ評価料の算定要件は、当該評価料による収入を原則、全額ベア等に充てる

  ことです。その上で、さらに今般の報酬措置以外の収入や、税制措置も活用しながら、

  和6年度ベア+2.5%、令和7年度ベア+2.0%の目標を目指します。

 ※ 今回の賃上げの状況については、賃金引上げに係る計画書、賃金引上げの実施状況の

  告書の提出(毎年)、抽出調査などにより報告が求められる予定です。

 

2⃣ 対象職種

 ① 病院、診療所、歯科診療所、訪問看護ステーションに勤務する看護職員、病院薬剤師そ

  の他の医療関係職種の賃上げのための特例的な対応として、+0.61%の改定

  (ベースアップ評価料

   対象職種

     薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、看護補助者、理学療法士、作業療法

    士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科衛生士、歯科技工士、歯科業務補助

    者、診療放射線技師、診療エックス線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学

    技士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、保育士、救

    急救命士、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゆう師、柔道整復師、公認心理師、

    診療情報管理士、医師事務作業補助者、その他医療に従事する職員(医師及び歯科医

    師を除く。)

 ② 40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従

  事する者の賃上げに資する措置として、+ 0.28%程度の改定

  (初再診料等や入院基本料等の引上げ

   対象職種(想定)

     40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等

    で従事する者 等

 

3⃣ 創設される診療報酬

  令和6年度の診療報酬改定では、「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)、(Ⅱ)」、

 「入院ベースアップ評価料」といった診療報酬が創設されます。

   また、初再診料等や入院基本料等についても、職員の賃上げを実施すること等も踏まえた

 引上げが行われます

   さらに、今回創設される診療報酬(既存の看護職員処遇改善評価料含む)による賃上げに

 ついては、賃上げ促進税制における税額控除の対象となります。

4⃣ ベースアップとは

  医療機関等においては、この報酬分をベースアップ(基本給又は決まって毎月支払われる

 手当の引上げに充てていただくこととなります。

  また、ベースアップには、連動して引きあがる賞与分※や事業主負担の増額分も含まれま

 す。

  ※ 業績に連動して引き上がる賞与については対象外です。

5⃣ ベースアップ評価料の算定額の配分パターン

  医療機関等においては、令和6年度と令和7年度の2年間の賃金引き上げについて計画し

 ます。

  そのなかでベースアップ評価料(改定率+0.61%分)については、対象職種の給与総

 額の2.3%相当となるように設定されており、令和6年度と7年度の2年とも同じ点数設

 計です。

  したがって、この点数を算定した場合の賃上げへの配分方法について、以下の2つのパタ

 ーンが考えられますが、いずれの場合も算定額を全て賃金の引き上げに充てることが重要で

 す。

6⃣ 具体的なスケジュール

  賃上げのスケジュールのイメージは以下のとおりです。

  医療機関等においては、賃金引き上げの計画の作成→計画に基づく労使交渉等→計画に基

 づく給与規程の改正→施設基準の届出及び期中の区分変更の届出→賃上げ状況の報告(令和

 6年度・令和7年度)を実施していくこととなります。

7⃣ 計画書・報告書の提出

  ベースアップ評価料を算定する医療機関等は、施設基準の届出書と合わせて、賃金引上げ

 に係る計画書及び報告書を地方厚生(支)局に提出する必要があります。

  この中で、ベースアップ評価料が原則ベア等に充てられていることについても確認されま

 す。

  さらに、計画書及び報告書では、ベースアップ評価料による賃金引上げの状況だけでな

 く、主財源等も含めた全体的な引き上げ状況及びベースアップ評価料の対象とならない40

 歳未満の勤務医師等(改定率+0.28%分)の職種の状況についても聞かれる予定です。

  また、別途、抽出調査の実施等も予定されています。

 

※ 厚生労働省では、今般のベースアップ評価料による算定見込みや医療従事者の賃上げ見込

 みの試算を支援するため、「ベースアップ評価料計算支援ツール」を作成しました。

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