今週のコラム第122号「医師の働き方改革で見落としがちなポイント~今やるべき5つのポイント~」(2024年1月23日号)

本年4月から始まる医師の時間外・休日労働の上限規制に向けて、皆様の病院ではさまざまな準備が進められているかと思いますが、見落としがちないくつかのポイントがあります。

今回は、特に今やるべき5つのポイントについてご説明いたします。

 

医師の働き方改革で見落としがちなポイント~今やるべき5つのポイント~

 

1.36協定の締結

 医師の時間外・休日労働の上限規制の開始に伴い、医療機関が届け出る36協定届の様式が新しくなりました。36協定の有効期間が本年4月より前から始まるものについては、従来の様式で構いませんが、有効期間が本年4月以降に始まる36協定は、新しい様式で届け出る必要があります。

 ⑴ 新しい36協定において協定する必要がある事項

 医業に従事する勤務医に時間外・休日労働を行わせる場合には、次の事項について協定した上で、36協定を所轄労働基準監督署に届け出る必要があります。

 さらに、臨時的な特別の事情があるため、原則となる時間外労働の限度時間(月45時間・年360時間)を超えて時間外・休日労働を行わせる必要がある場合には、さらに次の事項について協定した上で、36協定届(様式第9号の5)を所轄労働基準監督署に届け出る必要があります。

 その場合、同じ様式第9号の5の中に、医師のほか、看護師等コメディカルスタッフや事務職についても記入する必要があります。

★ 医師が、36協定で定めた上限を超えて残業(違法残業)をした場合、法人と院長のほか、

 直属の上司である医師の刑事責任が問われますので、特に診療部(科)長の方々は、自分事

 として、部下の医師の労務管理に取り組む必要があります。

  具体的には、次の事項について、管理を徹底するようにしてください。

 ○ 労働基準法の遵守のために必要な項目

  ・ 主たる勤務先での労働時間

     出退勤の打刻、遅刻・早退の確認、休暇・出張・外勤の届出の徹底

  ・ 副業・兼業先での労働時間(医師の自己申告で把握します)

  ・ 労働時間に該当する診療外業務の時間(研鑽、研究、教育等)

  ・ 年次有給休暇の取得状況(年次有給休暇が年10日以上ある場合には、そのうち5日

   以上消化させることが、使用者の義務になっています)

 ○ 休息の確保状況の把握のために必要な項目(連携B・B・C-1・C-2水準対象医療機関に

  おいては、追加的健康確保措置の実施記録を残す意味でも必要となります)

  ・ 連続勤務時間(勤務間インターバル)

  ・ 代償休息

★ 労務管理者が上記の役割を果たすためには、すべての医師に対して、当人が実施すべき内

 容(出退勤の打刻、休暇・出張・外勤の届出、時間外勤務の申請等)について、少なくとも

 年に1回周知することが必要です。

2.副業・兼業の自己申告ルールの策定

 医師の労働時間は、「自院で把握した医師の労働時間」と「医師からの自己申告等で把握した他の医療機関での労働時間」を通算する必要があります。

 各医師について、各医療機関での労働時間を足し合わせ、時間外・休日労働時間を、次の表に記載されている上限の範囲内としてください。

3.長時間労働医師に対する面接指導体制の整備

 時間外・休日労働が月100時間以上となることが見込まれる医師に対しては、面接指導を実施しなければなりません。副業・兼業先の医療機関にも義務付けられます。

 この面接指導の履行状況は、令和6年4月以降、すべての医療機関に対して行われる各都道府県保健所による医療法第25条第1項に基づく立入検査(医療監視)において、確認が行われますので、それまでに必ず長時間労働医師に対する面接指導体制を整備しておいてください。

4.宿日直許可の取得と労務管理

 宿日直許可のある業務に従事する時間は、労働時間や休憩に関する規定は適用されません。

宿日直許可の申請は、管轄の労働基準監督署で受け付けています。

5. 労働条件通知書の整備(労働基準法第15条第1項、労働基準法施行規則第5条)

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