今週のコラム第89号「医師の働き方改革シリーズ第6回『連続勤務時間制限・勤務間インターバル規制等』」(2023年2月28日号)

連携B・B・C-1・C-2水準が適用される医師には、2024年4月から連続勤務時間制限・勤務間インターバル規制等が義務づけられ、A水準が適用される医師も努力義務とされます。

今回は、この連続勤務時間制限・勤務間インターバル規制等の内容をご説明します。

 

1.基本的な考え方

 ⑴ 連続勤務時間制限と勤務間インターバル規制は、原則として次の2種類が設けられます

 (C-1水準が適用される臨床研修医を除く)。

 ① 始業から24時間以内に9時間の連続した休息時間(15時間の連続勤務時間制限)

  :通常の日勤及び宿日直許可のある宿日直に従事する場合下図の図1・2)

 ② 始業から46時間以内に18時間の連続した休息時間(28時間の連続勤務時間制限)

  :宿日直許可のない宿日直に従事する場合(下図の図3)

 

 ⑵ 予定された9時間又は18時間の連続した休息時間中にやむを得ない理由により発生した

  労働に従事した場合は、当該労働時間に相当する時間の代償休息をできる限り早く付与

  し、遅くとも翌月末までには付与しなければなりません。 

    なお、この代償休息については、医療法の規定により、その記録を保管し、翌月末まで

  に付与しない場合には都道府県知事から改善命令を受け、それでも改善しない場合には、

  罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が適用されますので、ご注意くださ

  い。

 

 ⑶ 臨床研修医については、医師になったばかりで肉体的・精神的な負荷が大きいと考えら

  れることに配慮して、その他の医師より強い追加的健康確保措置を講じることとされてい

  ます。

 ① (C)-1水準の適用される初期研修医については連続勤務時間制限・勤務間インター

  バルの実施を徹底し、代償休息の必要がないようにする。

 ② 一日ごとに確実に疲労回復させる観点で、勤務間インターバル9時間を必ず確保するこ

  ととし、連続勤務時間制限としては15時間とする。

 ③ 臨床研修における必要性から、指導医の勤務に合わせた24時間の連続勤務時間とする必

  要がある場合はこれを認めるが、その後の勤務間インターバルを24時間とする。

 ④ 臨床研修における必要性から、オンコール又は宿日直許可のある宿日直への従事が必要

  な場合に限り、例外的に代償休息を認める。

(資料出所)13医師の働き方改革の推進に関する検討会 資料1 (202184日)
(以下の図はすべて同じ)

2.勤務パターン別の連続勤務時間制限・勤務間インターバル規制等の適用イメージ

 (主なもの)

 ⑴ 1日の間に短時間の休息と労働が繰り返されることが予定されている場合

    連続勤務時間制限の起点となる「始業」は、勤務シフト等で予定された業務の開始時

  されます。1日の間に短時間の休息と労働が繰り返されることが予定されている場合は、

  それぞれの労働の開始が「始業」扱いとなります。

  ※ 最初の始業(始業①)から24時間以内に9時間の連続した休息時間を確保すれば、当該

   休息時間の開始前までに発生する始業(始業②)についても、当該休息時間が始業②か

   ら24時間以内に含まれることとなるため、勤務間インターバル規制を満たすこととな

   ります。

  ※ 予定された9時間の連続した休息時間中にやむを得ない理由により発生した労働につい

   ては、別途代償休息として休息時間を確保することとなるため、当該労働の開始は始業

   とは扱いません。

 ⑵ 9時間の連続した休息時間より後の休息時間が確保されている場合

   予定された9時間の連続した休息時間より後の休息時間は、代償休息の対象となる労働

  が発生する前にあらかじめ付与することが決まっていたものであっても、代償休息として

  充当することができる。

 ⑶ 当直中に宿日直許可の有無が異なる時間帯がある場合

  (例:準夜帯が許可なし、深夜帯が許可あり)

   当直中に宿日直許可の有無が異なる時間帯がある場合(例:準夜帯が許可なし、深夜帯

  が許可あり)であって、宿日直許可のある宿日直が9時間未満である場合は、以下のいず

  れかの方法により休息時間を確保する必要があります。

  ・ 始業から24時間以内に、宿日直許可のある宿日直の時間とは別途、9時間の休息時間を

   確保すること(図1)

  ・ 始業から46時間以内に、18時間の休息時間を確保すること(図2)

 ⑷ 日中は主たる勤務先のA病院で勤務し、移動を挟んだ後に副業・兼業先のB病院の宿直

  に勤務する場合

   主たる勤務先の病院Aと副業・兼業先のB病院との間で調整し、以下を満たすように勤

  務シフト等を組む必要があります。

  ・B病院で宿日直許可のある宿日直に従事する場合は、A病院における始業①から24時間

   以内にB病院において9時間(以上)の宿日直許可のある宿日直に従事すること

   (図1)

  ・B病院で宿日直許可のない宿日直に従事する場合は、A病院における始業①から46時間

   以内に18時間(以上)の連続した休息時間を確保すること(図2)

  ※図1について、A病院での始業①から24時間以内に、B病院において9時間(以上)の

   宿日直許可ある宿日直に従事すれば、当該宿日直の開始(始業②)についても、当該宿

   日直が始業②から24時間以内に含まれることとなるため、勤務間インターバルを満たす

   こととなります。

  ※図2について、A病院での始業①から46時間以内に18時間(以上)の連続した休息時間

   を確保すれば、B病院における宿日直許可のない宿日直の開始(始業②)及びA病院に

   帰院後の業務の開始(始業③)についても、当該休息時間が始業②及び始業③から46時

   間以内に含まれることとなるため、勤務間インターバルを満たすこととなります。

 ⑸ 15時間を超える業務に従事する場合

   個人が連続して15時間を超える対応が必要な業務(※)が予定されている場合について

  は、代償休息の付与を前提とした運用が認められます。ただし、医師の健康確保の観点か

  ら、当該代償休息については、翌月の月末までの間ではなく、当該業務の終了後すぐに付

  与しなければならないこととされています。

  ※例えば長時間の手術(必要な術後の対応を含む。)が想定されます。

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