今週のコラム第60号「定時で帰る医師とそれをカバーする医師の労働時間の不均衡を是正する取り組み」(2022年5月31日号)

いきいき働く医療機関サポートWeb(通称「いきサポ」)で紹介されている取組事例をご紹介します。今回は、「定時で帰る医師とそれをカバーする医師の労働時間の不均衡を是正する取り組み【淀川キリスト教病院、大阪府、急性期機能】」です。

 

取組のきっかけ、背景、取組前の問題点

 女性医師の中で、同じ常勤医でも妊娠・出産・育児などする人としない人で色々な差が生まれ、フェアではないという不満が大きくなり、科の中で議論になった。

 勤務時間が限られている人たちと、それをカバーする人たちに分かれており、カバーする医師の方が勤務時間が長くなっていた。また、定時に帰らなければならない医師もやるべきことができていないという意識があり自己評価が低くなる一方、引き継ぐ医師はなぜ自分たちがいつもフォローする側なのかという不満があり、どのように均衡状態に持っていくかを考えなければならない状況になったのが大きなきっかけであった。更に、最近は男性医師も育児参加なども考慮しなければならず、その先には親の介護問題などもあり、必ずしも女性医師だけの問題ではないと考えた。

 

取組対象

  • 取組対象
    医師
  • 取組の中心部署・人物
    部長
  • 取組詳細
    ・当直した人が翌日休めるような体制を作ることから始め、定時で帰らなければならない医師とそれを引き継ぐ医師の労働時間の不均衡を是正した。フォローする医師の負担を軽減し、長時間労働をなくした。
    ・他の科よりも夜勤が多いが昼間は休める体制を作っている。他科の夏季休暇は5日だが産婦人科は科内調整により有休を利用して2週間の夏休みをとれるようにしており、月2回平日に有給をとらせるようにした。
    ・電子カルテの他、情報共有システムを使って、夜勤中に変化があったことや処置内容を記載することで朝カンファレンスに出られない医師がいても対応可能である。また、日勤から夜勤に対してこういう場合はこうしてほしいというロジカルな方針を記入しておくことで不在時にも連絡を入れずにすむようにした。 (個人情報の記載は電子カルテのみ)
    ・部長がそれぞれの医師の要望を配慮しながらどこにどういう人材が必要かを考えて人員配置のマネジメントを行い、それ以外の業務を最小限にしてできるだけフリーの状態にすることで、全体を見渡せる人になり、いざという時は部長が手術に入ったり家族への説明をしたりすることで主治医がいなくても回せるような体制を作った。
    ・産科はスクリーニング中心でルーチン作業が大半でマニュアル化しやすいので、産科外来はすべてドクターズアシスタントが記録して医師は話と診察に集中でき回転を早めている。それによって婦人科の待ち時間がなくなり、診察と話に集中できるようになり回転が早くなった。また、エコーも臨床検査技師が行うようにしてドクターがエコーを撮る機会を減らして回転を早めている。

 

実施後の成果

 4年前は8時間労働の人もいれば30時間連続勤務という人もおり、時間外労働が個人差は大きいが、月60時間を越えないように注意していたものの、80~100時間という人もいた。現在はほぼ30時間程度にまで減少した。

 特に自分の意思で帰れない中級以下の医師は積極的に帰らせるようにしている。

 有給休暇を毎月平日2日は取得させる状態になった。

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