今週のコラム第48号「育休取得の意向はないと回答があった後、育休の申出があれば拒めない!」(2021年12月21日号)

来年4月から、育児・介護休業法が段階的に施行され、各職場において育児・介護休業規程の改正などの対応が急がれますが、今回、厚生労働省から50問を超えるQ&Aが公表されました。今後の対応において不明点があれば、ぜひ参考にしていただきたいものです。
今回は、その内容についてご紹介します。

 

 

 

令和3年改正育児・介護休業法に関する Q&A (令和3年 11 月 30 時点)

 ※ 以下では、原則として、問いのみを記載していますが、特に注意すべき問いについて

  は、答えも記載しています(赤字部分)。

   なお、末尾に厚生労働省ホームページのリンク先を記載してありますので、答えの全文

  はこちらをご覧ください。

 

1.全体
(改正内容について)
Q1-1:今回の改正の主な内容と施行日を教えてください。

(派遣労働者・出向者への法令の適用ついて)
Q1-2:今回の改正で、派遣元・派遣先がそれぞれ行わなければならないことは何ですか。

Q1-3:出向者については、個別周知・雇用環境整備の措置は、出向元・出向先どちらの事業主が行うべきですか。

2.妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
(改正内容について)
Q2-1:個別の周知と意向確認の措置として、事業主は、どのような内容をどう実施すればよいですか。

(個別周知・意向確認を行わなければならない対象労働者について)
Q2-2:子どもが産まれるすべての労働者に個別の周知・意向の確認の措置を実施する必要がありますか。

Q2-3:妊娠・出産報告の時に、「育休を取得するつもりはない」「制度周知は不要」と言っていた労働者にも個別周知及び意向確認を行わなければならないのですか。

A2-3:法第 21 条は事業主に対して、育児休業に関する制度等の周知及び意向確認の措置を 講ずることを義務づけているものですので、労働者が周知や意向確認の措置が不要であ る旨の意思表示をしていた場合であっても、事業主は、当該労働者に対し措置を講ずる ことが求められます。 周知の方法や意向確認の措置は、FAX や電子メール等を労働者が希望しない限り面談又 は書面の交付(労働者が希望した場合には FAX、電子メール等による方法でも可能)で行 うこととなります。(仮に当該労働者が周知及び意向確認を不要とする旨の意思表示をし ている場合には、面談を行わず書面の交付(郵送によることも可能)で行うことも対応 の一例としてが考えられます。)  

Q2-4:個別周知について、次のような場合は、申出時に周知・意向確認措置義務が課されるのですか。それとも取得可能になった時に周知・意向確認措置義務が課されるのですか。
①労働者から妊娠の申出があったが、労使協定で除外している入社1年未満の労働者である場合。
②有期契約労働者から妊娠の申出があったが、雇用契約の更新予定がない場合。
③育休取得できないことが明らかな労働者である場合(入社1年以上経つ時は子が1歳を超える等)

Q2-5:出生時育児休業は令和4年10月から施行されますが、それ以前に妊娠・出産等の申出があり、出産予定日が令和4年10月以降の場合は、個別周知の際に、出生時育児休業についても周知する必要がありますか。

Q2-6:個別周知・意向確認の措置は、令和4年4月1日以降に妊娠・出産等の申出があった労働者に対して行えばよいですか。

(妊娠・出産等の申出について)
Q2-7:妊娠・出産等の申出は口頭でよいですか。

A2-7:法令では、申出方法を書面等に限定していないため、事業主において特段の定めが ない場合は口頭でも可能です。(※) 事業主が申出方法を指定する場合は、申出方法をあらかじめ明らかにしてください。 仮に、申出方法を指定する場合、その方法については、申出を行う労働者にとって過 重な負担を求めることにならないよう配慮しつつ、適切に定めることが求められますの で、例えば、労働者が当該措置の適用を受けることを抑制するような手続を定めること は、認められません。 また、仮に、その場合に指定された方法によらない申出があった場合でも、必要な内 容が伝わるものである限り、措置を実施する必要があります。 (※) 口頭による申出の場合でも措置を実施する必要がありますので、円滑な措置 の実施のために、例えば、あらかじめ社内で申出先等を決めておき、その周知 を行っておくことが望ましいです。 

Q2-8:妊娠・出産等の申出があった際に、母子健康手帳等の証明書を提出させてよいですか。

(個別周知・意向確認の実施について)
Q2-9:個別周知と意向確認は、人事部から行わなければならないのですか。所属長や直属の上司から行わせることとしてもよいですか。

Q2-10:妊娠・出産等の申出をした労働者に対する個別周知・意向確認の措置の方法の一つとして、面談によることが定められていますが、ビデオ通話を用いたオンラインによる面談は可能ですか。

Q2-11:個別周知・意向確認の措置について、面談による方法の場合、実施した内容を記録する必要はありますか。

(意向確認と育児休業申出について)
Q2-13:意向確認の措置に対して労働者から「育児休業の取得の意向はない」と回答があった場合、その後に労働者から育児休業申出が行われても、拒むことができるのですか。

A2-13:法第 21 条第1項に基づき事業主が労働者に育児休業の意向確認をした際に、労働 者が「育児休業の取得の意向はない」旨を示したとしても、労働者は法に基づき育児休 業の申出を行うことができ、事業主は適法な労働者の育児休業申出を拒むことはできま せん。  

3.育児休業を取得しやすい雇用環境整備の措置
(改正の概要・出向者への適用について)
Q3-1:育児休業を取得しやすい雇用環境の整備として、事業主は、具体的にどのようなことをすればよいですか。

Q3-2:出向者については、個別周知・雇用環境整備の措置は、出向元・出向先どちらの事業主が行うべきですか。(Q1-3再掲)

(対象者について)
Q3-3:育児休業を取得しやすい雇用環境の整備は、男性だけ対象に実施すればよいですか。

(雇用環境整備の措置の実施について)
Q3-4:法第22条第1項の雇用環境の整備等の措置のうち、第2号の「育児休業に関する相談体制の整備」について、既に育児休業に関する相談窓口がある場合は、新たに整備をすることなく、同号の措置を講じたものとすることはできますか。

Q3-5:育児期の社員がおらず、また、採用する予定もない場合でも、雇用環境整備をする必要はありますか。

4.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
(改正内容について)
Q4-1:有期雇用労働者の育児・介護休業の取得要件はどう緩和されるのですか。

Q4-2:有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件について、今回の改正後も残る要件の(育児休業であれば「子が1歳6か月に達する日までに」)「労働契約が満了することが明らかではない」とは、具体的にどのようなことですか。

(改正法施行前後の労使協定の取扱いについて)
Q4-3:今回の改正で、引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者について、法律上対象外から労使協定除外の対象に変更になりますが、既に締結している労使協定において、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者について有期雇用・無期雇用を問わない形で除外していた場合、労使協定を締結し直さなくとも、改正法の施行後は有期雇用・無期雇用問わず当該労使協定により除外されると解して良いですか。

A4-3:改正前の法第5条第1項ただし書では、引き続き雇用されていた期間が1年未満の 有期雇用労働者には育児休業申出の権利が付与されていなかったところ、今回の改正法 により、引き続き雇用されていた期間が1年未満の有期雇用労働者についても、育児休 8 業申出の権利が付与されました。 このため、改正法の施行後において、有期雇用労働者も含めて、引き続き雇用されて いた期間が1年未満の労働者について、法第6条第 1 項ただし書に基づき当該申出を拒 む場合は、そのことについて、改めて労使協定を締結していただく必要があります。 

5.出生時育児休業について
(改正の概要)
Q5-1:出生時育児休業の基本的な内容を教えてください。

Q5-2:法改正後は、子の出生後8週以内は4週間までしか休業を取得できなくなるのです
か。

(対象者について)
Q5-3:出生時育児休業は、男性だけが取得可能ですか。

(出生時育児休業制度に関する改正法の施行前後の取扱いについて)
Q5-4:現行のいわゆる「パパ休暇」(子の出生後8週間以内に父親が育休取得した場合には再度取得可)はどうなりますか。

Q5-5:令和4年10月1日から出生時育児休業を取得したい場合、2週間前に申し出ればよいのですか。

Q5-6:令和4年10月1日より前に育児休業を取得していた場合、施行日後に出生時育児休業を取得することはできるのでしょうか、また、その後育児休業は何回取得可能ですか。例えば、令和4年9月1日に生まれた子について、同年9月5日から9月14日まで10日間育児休業(子の出生後8週以内の休業なのでパパ休暇に該当)を取得していた場合はどうですか。
また、例えば令和4年9月1日に、出産予定日である同年10月1日から11月25日まで育児休業の取得を申し出ていた場合は、施行日である同年10月1日以降の育児休業はどうなるのですか。

(出生時育児休業申出・期間について)
Q5-7:産後7週~10週の休業申出があった。産後7~8週は自動的に出生時育児休業になるのか。または、8週のうち4週までの育児休業は全て出生時育児休業として取り扱うよう労使で取り決めてよいですか。

Q5-8:
①既に社内に、配偶者の出産時や育児のために、年5日、子が生まれてから小学校を卒業する年度末まで利用できる育児目的休暇がある場合、出生時育児休業については、28日から5日間を引いたうえで、23日間取得できる制度としてよいですか。
②既に社内に、子が生まれる前に5日間休暇を取得できる育児目的休暇制度がある場合、出生時育児休業については、28日から5日間を引いたうえで、23日間取得できる制度としてよいですか。
③①の場合、年次有給休暇の付与に係る出勤率算定に当たって、出勤したものとみなすのは、出生時育休として申出された23日以内となるのですか。

Q5-10:出生時育児休業を2回に分割して取得する場合は、その都度申し出ればよいですか。

A5-10:出生時育児休業を2回に分割して取得する場合は、初回の出生時育児休業の申出の 際にまとめて申し出ることが原則であり、まとめて申し出ない場合(1回目の出生時育 児休業の申出をした後日に2回目の申出をする場合)には、事業主は2回目以降の出生 時育児休業に係る申出を拒むことができます。なお、事業主はこれを拒まないことも可 能ですので、この場合は法第9条の2に規定する法定の出生時育児休業を取得すること となります。

(出生時育児休業中の給付金について)
Q5-11:出生時育児休業は、育児休業給付の対象になりますか。

6.出生時育児休業期間における休業中の就業
(改正の概要・派遣労働者への適用について)
Q6-1:休業中の就業は、労働者が希望すればいつでもできるのですか。

Q6-2:派遣労働者が出生時育児休業中に就業する場合、就業可能日の申出・変更・撤回、就業日の提示は派遣先と派遣労働者で直接行ってよいのですか。
(出生時育児休業中の就業申出について)

Q6-3:出生時育児休業中に就業する場合、契約上の勤務時間以外の時間を労働者が申し出てもよいのですか。(勤務時間外の夜間の2時間でテレワークであれば勤務可能など。)

Q6-4:出生時育児休業中の就業について、労働者から就業可能日等の申出があり、事業主がその範囲内で日時を提示した後に労働者から就業可能日の変更の申出があった場合はどのように対応すればよいですか。

Q6-5:休業中の就業について、就業可能日等の申出の際に労働者は従事する業務内容についても申し出ることはできますか。その場合、事業主が労働者を就業させることができるのは、労働者が申し出た業務内容の範囲に限られますか。


Q6-6:派遣元とその事業所の過半数労働組合等との労使協定において出生時育児休業中の就業が可能とされた派遣労働者から申出があった就業可能日について、当該派遣労働者を(派遣元の事業所ではなく)派遣先において就業させる場合、当該派遣労働者が、派遣先とその事業所の過半数労働組合等との労使協定において定められた「出生時育児休業期間中に就業させることができるもの」にも該当している必要があるのですか。

Q6-7:出生時育児休業開始後、出生時育児休業中の就業日に撤回事由に該当しない事由で休む場合に、年次有給休暇を取得することは可能ですか。また、出生時育児休業開始後に予定していた業務がなくなったため事業主側から就業日を撤回することは可能ですか。

Q6-8:出生時育児休業中に就業させることができる者について労使協定で定める際、「休業開始日の○週間前までに就業可能日を申し出た労働者に限る」といった形で対象労働者の範囲を規定することは可能ですか。

7.育児休業の分割取得等
Q7-1:育児休業について2回まで分割取得が可能になるとのことですが、出生時育児休業とあわせた場合、1歳までの間に4回まで取得可能になるということですか。

Q7-2:育児休業が分割取得できるようになると、これまでのいわゆる「パパ休暇」はどうなりますか。
Q7-3:出生時育児休業については、2回に分割して取得する場合には初めにまとめて申し出なければならないとのことですが、通常の育児休業についても、2回に分割して取得する場合にはまとめて申し出ないといけないのですか。

Q7-4:育休及び出生時育休を2回分割する場合、繰上げ・繰下げ変更の回数は何回ですか。

8.職場における育児休業等に関するハラスメント
Q8-1:出生時育児休業期間中の就業について、事業主が提示した日時で就業することを労働者に強要することはハラスメントに該当しますか。

Q8-2:妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別周知・意向確認のための措置の実施に際して、上司等が育児休業制度等の利用を控えさせるような対応をすることはハラスメントに該当しますか。


Q8-3:育児休業制度等を利用していない労働者に対して、育児休業等の取得率の向上等を目的として、当該制度の利用を強要することはハラスメントに当たりますか。

9.育児休業の取得の状況の公表の義務付け(従業員1000人超の企業が対象)
Q9-1:育児休業の取得の状況の公表は、どのように行うのですか。

 

 

Q9-2:育児休業の取得の状況の公表は、どのような内容を公表することが必要ですか。

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