最近、病院や介護施設のホームページにおいて、「クレド」が掲載されているのをよく見かけます。

 

　「クレド」（Credo）は、ラテン語で「信条」や「信念」を意味します。ビジネスの文脈では、企業や組織が共有する価値観や信条を表現したものを指します。

 

クレドは、企業文化の指針となり、社員の行動や意思決定を導く役割を果たします。

 

病院や介護施設のクレドの例として、次のようなものがあります。

 

　「患者の健康と幸福を最優先に考え、誠実さと専門知識をもって医療を提供します。」

 

　「思いやりと尊厳を持って、最高水準の医療を提供し、地域社会と協力して健康を促進します。」

 

　「利用者の尊厳を守り、個々のニーズに合わせた温かく安心なケアを提供します。」

 

クレドは、職員の行動や意思決定を導く役割を果たすことが期待されていますが、皆様の病院や介護施設ではいかがでしょうか。

 

クレドを作成するときには、多くの職員が参画して、その意見を反映させることもありますが、いったん作成してしまうと、ホームページへの掲載、クレドの印刷物の携帯、朝礼での唱和等はしているものの、職員の行動や意思決定を導く役割を果たすところまで行っているか、疑問を感じることはありませんか。

 

　クレドが、職員の行動や意思決定を導く役割を果たすためには、やはりクレドを職員の具体的な行動に落とし込んで、その行動がとられているかどうかを観察し、評価し、改善指導をする必要があります。

 

　そのためには、クレドを実現するための行動が人事評価基準に組み込まれ、各病院・介護施設のクレドに沿った職員の行動を促進するようにしていかなければならないと思います。