今週のコラム第22号「70歳までの就業機会の確保」(2021年4月13日号)

医療や介護の職場では、これからますます職員の採用が厳しくなりますので、今働いている職員が高齢になっても、引き続いてその能力を活かして、働き続けてもらうことを考える必要があります。高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されています。今回は、その内容をご説明します。

 

少子高齢化が急速に進展し人口が減少する中で、経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、令和3年4月1日から施行されています。

※この改正は、定年の70歳への引上げを義務付けるものではありません。

今回の改正は、個々の労働者の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳までの就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設けるものです。

 

<対象となる事業主>

・定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主

・65歳までの継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除 く。)を導入している

 事業主

 

<対象となる措置>

次の①~⑤のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるよう努める 必要が

あります。 

 

① 70歳までの定年引き上げ

② 定年制の廃止

③ 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入

 ※ 特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む 。

④ 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入 

⑤ 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

 a. 事業主が自ら実施する社会貢献事業

 b. 事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

 ※ 「出資(資金提供)等」には、出資(資金提供)のほか、事務スペースの提供等も

  含まれます。 

※ ④、⑤については過半数組合等の同意を得た上で、措置を導入する必要があります

 (労働者の 過半数を代表する労働組合がある場合にはその労働組合、そして労働者の過半数

 を代表する労働 組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の同意が必要です。)。

 

<留意事項>

上記③の継続雇用制度の場合

 ① 70歳までの就業の確保が努力義務となることから、契約期間を定めるときには、70歳

  までは 契約更新ができる措置を講じ、むやみに短い契 約期間とすることがないように

  努めること。

 ② 70歳までの継続雇用制度は、特殊関係事業主以外の他社により継続雇用を行うことも

  可能だが、その場合には自社と他社との間で、高年齢者を継続して雇用することを約する

  契約を締結 する必要があること。

 ③ 他社で継続雇用する場合にも、可能な限り個々の高年齢者のニーズや知識・経験・能力等

  に応じた業務内容、労働条件とすることが望ましいこと。

 

上記④⑤の創業支援等措置の場合

 ① 高年齢者のニーズや知識・経験・能力を踏まえて、業務内容や高年齢者に支払う金銭等を

  決定することが望ましい。

 ② 創業支援等措置により就業する高年齢者につい て、同種の業務に労働者が従事する場合

  における 安全配慮義務をはじめとする労働関係法令による保護の内容も勘案しつつ、

  事業主が適切な配慮を行うことが望ましい。

 ③ 創業支援等措置により就業する高年齢者が被災したことを当該措置を講ずる事業主が把握

  した場 合には、事業主が、高年齢者が被災した旨を主たる事業所を所管するハローワーク

  に届け出ることが望ましい。

 

※ 定年制度、継続雇用制度の見直しのための助成金があります。

  ◆◆ 65歳超雇用推進助成金 ◆◆

上記の創業支援等措置を実施する場合には、計画の作成、過半数労働組合等の同意を得るなどの手続が必要となります。詳しくは、下記の厚生労働省のパンフレットを参照してください。

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